引っかかっちゃったがん検診 #2
はじめてのMRI
MRIは、初めて受ける。
認知症高齢者が、MRIの音に驚いて不穏になり検査できなかったという、エピソードを思い出した。
放射線技師さんから、飲食店のメニュー表のようなものを渡された。
癒しの音楽のリストだ。
癒しの音楽でMRIの音を打ち消そうというからくりか?
あいにく、癒しの音楽に対してこだわりはなく、適当に選んだ。
MRIのベッドに横になると、放射線技師さんがプラスチックの板のようなものとひもで、おかみをベッドで括り付けていく。そして、耳を丸ごと包み込むような大きなヘットホンを装着された。
こんな感じ。
いよいよ始まる。
ガガガガガンッ ピーピー ドドドドドドドドド
癒しの音楽なんて、一瞬でかき消された。
何なんだ。工事現場に放り込まれたのか?
近未来的な味気ない室内で縛り付けられ、この轟音だ。
認知症の人が不穏になるのが理解できた。
おかみも不穏になりそう。
ダメだ。息苦しい。
やっと、終わったと思ったら、造影剤を注射してもう一回。
なんか変。
造影剤を入れたとたん、血管がなんだかヒリヒリする。。
同意書を書いたのは、このためか~。
ガガガガガンッ ピーピー ドドドドドドドドド
やっと終わった。
結果はいかに!
三日後、結果をうかがうために受診をした。
検査をしてくれた、おじいちゃん先生いや名誉院長が、MRI画像を見せてくれた。
「卵巣がとても大きくみえたから、がんを疑ったんだけど、腫瘍マーカーは正常だったよ」
よかった~。
「細胞診が偽陽性でMRIでも診断しきれないこともあってね。」
歯切れの悪い説明は続く。
「だけどね、手術をしないといけないかもしれないよ。婦人科のがんは、胃がんや大腸がんと違って、カメラでみて患部を切除して確定診断するわけにはいかないから。」
(* ̄- ̄)ふ~ん
「この町では、がんを治療ができる病院は一つしかないだ。希望すれば、隣接する市の病院での紹介状書くけどどうする?」
隣接する市のがん治療で有名な病院の名前が浮かんだが、がんと確定したわけではない。
もし、がんだったとしたら、副作用に耐えながら遠方の病院に通うことができるか?
これまで担当した婦人科のがんを患ったクライアントの事例が、頭に浮かんだ。
抗がん剤・放射線治療。
副作用のつらさはよく知っている。
遠方の病院は、無理だ。
この町で、唯一のがん治療ができる病院をチョイスした。
自宅に帰って、考えをまとめる
生命保険を確認する。
しばらく収入がなくても、大丈夫。
安心♡
ホッとしたところで。歯切れの悪い説明を冷静に情報の整理をする。
- 手術をするかもしれない。
- 卵巣がんではなかった。
- ポリープはあった。
- MRIを見てもよくわからない。
- 細胞診が偽陽性
「整理しても、よくわかんない~」
偽陽性って、がんなのがんじゃないの?
手術するの?
困ったな。
つづく