日曜日のお昼はいつもカレーライス
買い物に行かずに済むメニュー
暑い~暑い~
台所に立つのが、苦行になっている。
昨日の残り物もないし~
そもそも、買い物に行かないと食べるもがない。
真夏の太陽でホカホカにあったまった車に、乗りたくないなぁ~。
もう一回、冷蔵庫を覗く。
おっ、冷凍庫に豚のコマ切れがあった!
野菜室には、胡瓜と人参とオクラとトマトとサニーレタスがある。
さて、何にしようかな?
うーん、この材料で元気が出るメニューは何だろう。
そうだ、カレーだ!
スパイスの香りで食欲増進、豚だからビタミンB群が豊富だ。
春に収穫した玉ねぎとジャガイモがある。そろそろ食べきらないと痛んじゃうと思ってたんだ。
冷蔵庫には、人参とトマト。
今日は、「ジャガイモがごろごろの昭和カレー」に決定。
カレーにまつわるエトセトラ
海上自衛隊は、金曜日の夜は「カレー」ってメニューが決まっている。船に乗っちゃうと、曜日感覚がなくなるかららしい。
おかみが、学生の時にアルバイトしていた飲食店は、日曜日のお昼はいつもカレーだった。
そのお店は、デパートの中にあって地元では唯一の本格的な中華料理店。
デパートの日曜日の10時~14時のランチタイムは、客単価は安いが売り上げはグンと伸びる。
平成の田舎のデパートの集客力は、凄まじい。
日曜日のランチタイムは殺人的だ。スポーツをしているような集中力が必要であり、ランチタイムが終わると、なぜか達成感や爽快感を感じる。
スポーツのようなランチタイムが終わった後は、お楽しみの賄いだ。心地よい空腹感をかかえた胃にワシワシ賄いを詰め込み、クーラーのきいた畳の宴会室で、座布団枕代わりにしてみんなで昼寝して、夜の営業に備える。
この昼寝も心地よい。
中華料理店の賄いカレーとは?
賄いを作る暇がないくらい、日曜日のランチタイムは忙しい。
だから、金曜日の夜のうちに仕込みをしておく。
まずは、カレーの定番材料のジャガイモ・人参の皮をむいて切っておく。そして、コックさん全員に声をかけて、冷蔵庫の中の中途半端に余った材料を提供してもらう。
それらの材料と鶏ガラスープを大きなステンレスのバッドにいれて、ランチタイムが終わるまで巨大な蒸し器の下の段で蒸す。
ランチタイムが終わったら、蒸した材料を鍋に移しルーを溶かせば出来上がり。
手間いらずだ。
賄いカレーは闇鍋カレー
この、賄いカレーは、あまりものの食材を使っているので、毎回味が微妙に違う。
鍋をよーく見て、カレーを注がないとアレーってなる。
カレーの具には、当たりとはずれがあるのだ。
長時間、蒸すから野菜は形が無くなっている。
問題は、それ以外の具だ。
肉団子・いかやえび・魚のすり身団子・シュウマイ・肉の塊は、当たりだ。
一番のはずれは、なまこ!
なまことカレーは、なったく合わない。
よーく見てカレーをすくわないと、はずれを食べることになる。
まるで、闇鍋だ。
賄いカレーは、一期一会の闇鍋カレーと言い換えることができる。
また、食べたいな賄いカレー。
でも、地元にデパート自体が無くなっちゃった。
貴重な体験をさせてもらったんだなと、今は思う。
地域食堂で賄いカレーを再現してみようか?
お客さん、闇鍋カレー食べたいかな?