法律家がたより!相談員がしたい相談事
相談員の受け止める範囲
相談員だからと言って、すべての相談が受け止められるわけではない。
一応、社会福祉士養成カリュキュラムでは、人生の中で直面するであろう福祉課題のあらゆる分野を広く浅く勉強する。が、専門分野外のことは知識のみで、実践で通用するかどうかは怪しい。
「この相談は、専門外だからほかの窓口に行ってね。」って、笑顔で送り出せればいいが、「ほかの窓口に行く」ってことができないクライアントはいる。
だから、連携する力が大事なんだ。
同業者の連携で解決できないこと。
連携(相談をほかの窓口につなげる)することは、簡単だ。他の相談窓口も、同業者が必ずいる。クライアントが相談がむつかしかったら、他の相談窓口の同業者にはなしをつなげるだけだ。同業者だから話が早い。
逆に、他の専門機関から連携を求められることもあり、そういう時は全力で応援する。
普通のビジネスであれば、同業他社はライバルだが、この業界の同業他社は頼りになる存在だ。
お互い持ちつ持たれつなのだ。
だが、同業者との連携では解決できないこともある。
法律が絡んだ相談だ。
例えは、
- 判断力の低下したクライアントの自己破産および借金問題
- 判断力が低下したクライアントの、資産の管理
- 身寄りがない方の、死後の資産の取り扱い
などなど。
共通点がある
相談員が相談したい法律相談のケースには、共通点がある。
キーワードは、判断力の低下・資産の管理・身寄りなしまたは身寄りが頼りにならない。
貧困っていうワードが、入ることもある。
文字にしてみて気が付いたが、未来のおかみもこのカテゴリーに入るかもしれない。
地域共生「わがことまるごと」
身に染みる言葉だな。
実際に法律家と連携してみて思うこと
おかみの身の回りに、法律家はいない。
どんな、人たちなのか?
頭が良い人たちなんだろうなぁ~。
「こんな事、相談して大丈夫かな?」って思う。
一応、相談を入れる前に必死で解決策を求めて事例集を調べたりネットで検索したりする。
一通りもがいた後、「解決策なし。しょーがない、法律家に相談してみるか~」って、重い腰を上げる。
それくらい、法律家との連携はハードルが高い。
うまく解決できれば、法律家が神様に見える。
法律家は、法律の中で相談を解決しようとする。
相談員は、家族にはなれない。
親身になってくれる、家族がいれば…。
法律的な手順を踏む時間がないだから、どうすれば…。
結局、ご近所さんや民生委員のご厚意にすがることになる。
そして、何もかも終わった後に「笑う相続人」が現れるのだ。
法律が、すべての困りごとを解決できないことはわかっているが、この徒労感とがっかり感は何なんだ。
おかみの未来予測
ある研修で、統計学の専門家が、少子高齢化で今後は「貧しい女性が増える」と言っていた。
女性の年金額の低さもあるが、不動産の処分の問題も出てくるのではないかと思う。
キャリアがあれば、家を購入しローンを払っていく事は難しくない。
離婚して、財産分与で不動産を持っている女性もいるだろう。
高齢になると、予想以上に現金がいる。
ケアを頼むときに、家族にさえ現金を渡す人も多い。お金で何かをお願いしないと、生活が立ち行かなくなる。
不動産があっても、現金が足りなく人も増えてくると思うのだ。
その場合、不動産を現金化しなければならなくなる。
不動産をだれが現金化してくれるのか?
親はすでに亡くなっている。兄弟やいとこも同じように高齢だ。
そもそも、甥や姪が、力になってくれるか?親じゃないから、どんなに子供のころからよくしてあげても、力になってくれる保証はない。
法律家を頼るしかないケースも増えるのだ。
これから、どうなるんだ??
法律事務所に、同業者が配置されるのか?
某相談所に、司法書士の配置が義務付けになるのか?
私たちの未来、どうなることやら。